京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻

健康増進・行動学分野の坂田昌嗣助教、菊池志乃研究員(現:名古屋市立大学)、伊東真沙美研究員、船田哲(現:慶應義塾大学)、古川壽亮教授らの研究グループは、不眠症の認知行動療法について、系統的レビューと要素ネットワークメタアナリシスを実施しその有効な要素を明らかにし、JAMA Psychiatry (IF=25.8) に発表しました。

一般 2024年01月19日

◆不眠症治療の第一選択とされる不眠症の認知行動療法は、複数の手法から成り、そのうちのどの手法が有効であるかは不明でしたが、要素ネットワークメタアナリシスを用いることで、どの手法が有効であるかを明らかにしました。
◆要素ネットワークメタアナリシスを不眠症の認知行動療法に適応した世界で初めての研究で、241の臨床試験(31,452名の参加者)が組み入れられた、本テーマに関する最大のメタアナリシスとなりました。
◆睡眠制限法、刺激統制法、認知再構成、マインドフルネスが睡眠を改善する一方で、睡眠衛生指導だけでは無効であり、リラクゼーションは逆効果の可能性があることが示唆され、本研究が、より効果的かつ効率的なプログラムの開発に繋がることが期待されます。


Furukawa Y, Sakata M, Yamamoto R, Nakajima S, Kikuchi S, Inoue M, Ito M, Noma H, Takashina HN, Funada S, Ostinelli EG, Furukawa TA, Efthimiou O & Perlis M (2024) Components and Delivery Formats of Cognitive Behavioral Therapy for Chronic Insomnia in Adults: A Systematic Review and Component Network Meta-Analysis. JAMA Psychiatry. https://doi.org/10.1001/jamapsychiatry.2023.5060

京都大学プレスリリース
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2024-01-18-0