京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻

報告:ノースイースタン大学のDaniel Aldrich教授および学生をお迎えしました

一般 2023年08月04日

2023年8月2日午後、京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻(京大SPH)に、米国ノースイースタン大学や米国の他の大学から、ダニエル・アルドリッチ教授と学部生、大学院生の訪問がありました。今回の訪問の目的は、米国の大学生・院生が日本の文化、社会、政策について学ぶことでした。

初めに、京大SPHの社会疫学分野の近藤尚己教授が来場者に歓迎の挨拶を述べました。「データ駆動型のコミュニティ組織化によってコミュニティの回復力を高める」というトピックで講義を行いました。近藤教授は、健康格差の是正は、地域診断を実施しデータに基づき行われ、住民組織や多様なセクターの人材や組織がつながり、「コミュニティを組織化する」ことで、ソーシャルキャピタルを高めることが効果的であることを、学生に説明しました。

近藤教授の講義後、アルドリッチ教授と学生とのディスカッションが行われました。アルドリッチ教授の授業では、日本文化に特有の観念が共同体主義の考えに基づいているということについて、議論したことがあることをふまえ、研究結果がコミュニティレベルのマクロな問題とミクロな問題をどのように説明できるかという質問がなされました。また、別の学生は、ジェンダーに関する規範とうつ病について、日本では近年多く見られるようになったのか、それとも昔からずっとそうなのかについて、質問しました。また、コミュニティサロンの有効性のばらつき、ソーシャルキャピタルの測定方法、災害と復興、ジェンダー規範、コミュニティ活動への男性の参加を促す方法等について、質問がありました。

今回の訪問が、米国の学生たちにとって、日本の人々の健康と福祉の向上についての理解を深めるのに役立つことを願っています。