京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻

活動報告:京大国際レクチャー:インフォデミオロジー:公衆衛生、データ科学、政策が融合する学際的分野の出現

一般 2023年08月03日

活動報告:京大国際レクチャー:インフォデミオロジー:公衆衛生、データ科学、政策が融合する学際的分野の出現

2023年7月24日午後、京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻(京大SPH)で「インフォデミオロジー(Infordemiology)」をテーマに国際レクチャーが開催されました。ハイブリッド形式で開催されたこの国際レクチャーに、京大SPHの学生・教員など約20名がオンサイトまたはZOOMで参加しました。カリフォルニア大学サンディエゴ校グローバルヘルスプログラムのTimothy Mackey教授が、ゲストスピーカーとして招待されました。彼は Global Health Policy and Data Institute の所長でもあります。この国際レクチャーの目的は、KUSPH の学生と教員にインフォデミオロジーの新しい概念を紹介することでした。

 最初に、Mackey教授から、インフォデミオロジーとは何かについて説明がありました。インフォデミオロジーの基本的な定義は、「公衆衛生と公共政策に情報を提供することを目的とした、電子媒体または集団における情報の分布と決定要因の科学」です。Mackey教授はまた、インフォデミオロジーに関連し、監視と傾向分析のためのインフォデミオロジーの指標を縦断的に追跡する、情報監視(infoveillance)の概念とも区別しました。Mackey教授は、新たな問題を検出し、一般大衆の態度や行動の変化を調査する際に、インターネットベースのソーシャルメディアから公開されている情報を効果的かつ系統的に利用するために、インフォデミオロジーと情報監視(infoveillance)の重要性と利点を強調しました。

次に、Mackey教授から、様々な社会現象に対処するインフォデミオロジーの方法論を用いて、新型コロナウイルス感染症、ワクチン接種への躊躇、ひきこもり等をテーマに、最近実施したさまざまな研究についての紹介がありました。

 講演終了後、学生からはインフォデミオロジーの方法を使って研究を実施する為に、どの様な手法が活用されているのか等について、様々な質問がありました。この講義から、参加した学生と教員は、インターネットベースのソーシャルメディア情報を使用して、世界的および地域的な状況の多くの公衆衛生問題に答えるための研究を行う新しい方法について学びました。 この講義が、Mackey教授とKUSPHの学生および教員との共同研究の始まりとなることを願っています。