京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻

健康増進・行動学分野古川壽亮教授が、患者中心のうつ病症状のコア・アウトカム・セットを決定するための基礎研究として、既存の尺度の項目が、患者によって重要とされた症状・機能とどの程度カバーしているかを検討し、Lancet Psychiatry (IF=64.3)に発表しました。

一般 2024年03月25日

うつ病の症状や機能を測定する patient-reported outcomes (PROM)や clinicaln-reported outomes (ClinROM)は数多く作成されてきました。しかし、それらの間では異なった項目が含まれており、一方、患者にとって重要とされる症状・機能を必ずしもカバーしていないことが懸念されてきました。そこで、パリ大学 Astrid Chevance教授をリーダーとした、フランス・イギリス・日本の研究チームは、既存の尺度がどの程度患者によって重要と見なされる症状・機能を測定しているかを検討し、後者のうちの9%が代表的な尺度では測定されていないことを見いだしました(たとえば、mental pain, emotion regulation)。

Veal C, Tomlinson A, Cipriani A, Bulteau S, Henry C, Muh C, Touboul S, De Waal N, Levy-Soussan H, Furukawa TA, Fried EI, Tran VT & Chevance A (2024) Heterogeneity of outcome measures in depression trials and the relevance of the content of outcome measures to patients: a systematic review. Lancet Psychiatry, 11, 285-294.

https://doi.org/10.1016/S2215-0366(23)00438-8