京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻

健康情報学分野 中山健夫教授、西村真由美研究員、静岡社会健康医学大学院大学 森寛子准教授らの研究チームによる、コロナ禍の医療現場における終末期ケアに関する質的研究が国際学術雑誌「CHEST」に掲載されました。

一般 2023年02月07日

2020年からのコロナ禍において、感染拡大防止のため新型コロナ感染症の患者、家族、医療者が隔絶された中で死を迎えるという、多くの医療者にとって経験のない看取りが相次ぎました。

この未曽有の臨床現場で、医療者は悩みながらも終末期ケアを提供してきました。現場でのケア提供の詳細を明らかにする為、健康情報学分野 中山健夫教授、西村真由美研究員、静岡社会健康医学大学院大学 森寛子准教授らの研究チームは、質的研究で医療者33名に詳細な聞き取り・分析を実施しました。
その結果、ケアの4要素「患者との関係性の維持」、「患者と家族のつながり支援」、「意思決定の共有」、「人間らしいエピソードの創出」が示されました。具体的なケアの行為として、患者への積極的なお声掛け、家族とのWebを使ったコミュニケーションや面会の支援、ICU日記などがありました。

本結果は、コロナ禍の看取りで患者と家族へのケアに向き合う医療・介護関係者に役立てて頂けたらと思います。

 
論文リンク:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9576251/