京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻

社会疫学分野 佐藤豪竜助教のコロナ禍と乳幼児の発達に関する論文がJAMA Pediatrics誌に掲載されました

一般 2023年07月11日

京都大学大学院医学研究科社会疫学分野の佐藤豪竜助教のコロナ禍と乳幼児の発達に関する論文が掲載されました。

多くの既存研究は、コロナ禍が就学児の学力などに負の影響を与えることを示唆しています。しかし、コロナ禍が乳幼児の発達にどのような影響を与えたのかは、これまでほとんど分かっていませんでした。‌

本研究は、首都圏のある自治体の全認可保育所に通う1歳または3歳の乳幼児887名に対し、2017年から2019年までの間に1回目の調査を行いました。2年後に2回目の調査を行い、追跡期間中にコロナ禍を経験した群とそうでない群の間で、3歳または5歳時の発達を比較しました。分析の結果、5歳時点でコロナ禍を経験した群は、そうでない群と比べて平均4.39か月の発達の遅れが確認されました。一方、3歳時点では明確な発達の遅れはみられず、むしろ発達が進んでいる領域もありました。また、コロナ禍で、3歳、5歳ともに発達の個人差・施設差が拡大していることも明らかになりました。

本研究は、米国医学会が刊行する小児科分野のトップジャーナルである「JAMA Pediatrics」(オンライン)に、7月11日(火)0時(日本時間)に公開されました。

論文:Sato, K., Fukai, T., Fujisawa, K. K., Nakamuro, M. Association Between the COVID-19 Pandemic and Early Childhood Development. JAMA Pediatrics. 2023 July 10. doi: 10.1001/jamapediatrics.2023.2096. Epub ahead of print.