京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻

ベストティーチャー賞2021およびベストコースワーク賞2021の受賞発表

在校生 2022年05月09日

新入生歓迎会(2022/4/15 オンライン)で発表されたベストティーチャー賞2021受賞者をトロフィー授与時の写真とともにご報告いたします。
また、質の高い授業を行った講義を称えるためのベストコースワーク賞2021の受賞結果も併せて発表いたします。

 

【ベストティーチャー賞2021受賞者のご紹介】

ベストティーチャー賞2021は、投票の結果、健康情報学分野の中山健夫先生と社会疫学分野の近藤尚己先生が選ばれました。
受賞、大変おめでとうございます。

 

中山 健夫(健康情報学分野 教授)
Takeo Nakayama, MD, PhD, Professor of Health Informatics

中山 健夫(健康情報学分野 教授)先生【主な担当科目】
疫学I:社会健康医学のコア科目の一つで、疫学のエピソードや基本的な考え方を紹介しています。
文献評価法:グループ形式の実習を中心に、観察研究、臨床試験、システマティックレビュー、診療ガイドラインなどを利用する時のチェックポイントをお話しています。
ヘルスサイエンス研究の進め方:研究公正や論文執筆ガイドラインなどをお話しています。
健康情報学I:ヘルスリテラシーやヘルスコミュニケーションの話題を多面的に紹介しています。
EBM・診療ガイドライン特論:EBMの考え方を基本に、診療ガイドラインを巡る国内外の動向を紹介し、ディスカッション形式で講義をしています(MCR限定科目)。

【講義で工夫しているポイント】
基本的な専門知識の解説に加えて、歴史や私自身の経験したエピソードをお話するようにしています。

【メッセージ】
Do our current best, with hoping better tomorrow!

 

近藤 尚己(社会疫学分野 教授)
Naoki Kondo, MD, PhD, Professor of Social Epidemiology

近藤 尚己(社会疫学分野 教授)【主な担当科目】
社会疫学、地域保健活動論、社会疫学研究法

【講義で工夫しているポイント】
問題解決に向けたディスカッションができるよう、ハイブリッド形式に苦慮しながらもグループワークを入れるなど、インタラクティブな講義を心がけました。できるだけ根源的な「問い」を参加者にぶつけ、答えのない問いに対峙する姿勢を持っていただくことをねらいました。

【メッセージ】
着任後はじめての講義であり、コロナの影響でハイブリットでの開催という難しい状況でしたが、皆さんの協力をいただき何とか1年終えることができました。受賞を機に、よりパワーアップさせた学びの体験をお届けできるようがんばります!

 

 

【ベストコースワーク賞2021受賞講義のご紹介】

ベストコースワーク賞2021は、投票の結果、「健康情報学Ⅱ」と「交絡調整の方法」が選ばれました。
受賞、大変おめでとうございます。

 

健康情報学Ⅱ
【担当教員】 高橋 由光(健康情報学分野 准教授)、岡田 浩(健康情報学分野 特定講師)、西川 佳孝(健康情報学分野 助教)
【講義概要】(2021年度シラバスより抜粋)
・健康情報とICT:インターネットの基礎知識、eヘルス、ヘルスケアにおけるICT (Information and communication technology)について講義を行います。公的統計データ、各種二次データ、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)などを例に、医療ビッグデータの現状および利活用について講義を行います。国民生活基礎調査匿名データを使った実習を行います。

・地域薬局における健康情報:社会の高齢化と医療の高度化に伴い、先進諸国の薬局では従来の薬剤供給にとどまらず、公衆衛生に果たす役割が拡大しています。この薬局の役割の変化と臨床研究の結果についてカナダでの事例を中心に講義を行います。また、日本の薬局での介入研究で使われた行動経済学のナッジや健康行動科学に基づく患者アプローチ法などについても紹介します。

・災害と健康情報:災害による健康影響について学習し、災害時に必要な健康情報について議論します。防災のための健康情報とその特徴について学習します。事例研究や症例報告の手法について紹介します。

 

交絡調整の方法
【担当教員】土居 正明(医療統計学分野 准教授)、佐藤 俊哉(医療統計学分野 准教授)、大宮 將義(医療統計学分野 特定助教)、森 和彦(日本製薬工業協会)
【講義概要】(2021年度シラバスより抜粋)
前期コア科目である「医療統計学」で学んだ医療統計学の考え方を実践するための具体的な統計的方法について講義します。

 本講義では、疫学研究などの観察研究において因果関係を調べる際に妨げとなる「交絡」を調整する方法として、層別解析、回帰モデルなどの解析方法を説明するとともに、解析計画を立てる上で必須である「研究計画書」での医療統計的なポイント、データ解析を実施する上で必要となる「解析計画書」作成のポイントをとり上げます。「医療統計学」よりも専門的な内容が増えますが、具体例を示しながら基本的な考え方を中心に講義します。