京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻

名古屋市立大学大学院の明智龍男教授、京都大学大学院健康増進・行動学の古川壽亮教授らの共同研究グループは、乳がん患者さんの再発に対する恐怖感をスマートフォン認知行動療法アプリを用いて軽減することに世界で初めて成功し、その結果をJournal of Clinical Oncology (IF=50.7) に公表しました。

一般 2022年11月10日

名古屋市立大学大学院精神・認知・行動医学分野の明智龍男教授、愛知県がんセンター乳腺科の岩田広治部長、国立がん研究センターがん対策研究所の内富庸介研究統括、京都大学大学院健康増進・行動学の古川壽亮教授などの共同研究グループは、患者さんが通院しなくても遠隔的に臨床研究に参加できる分散型臨床試験という新しい臨床研究の基盤を患者市民参画(Patient and Public Involvement: PPI)で開発し、乳がん患者さんの再発に対する恐怖感を自身のスマートフォンにダウンロードした心理療法のアプリを用いて軽減することに世界で初めて成功しました。

現在では、多くのがん患者さんが仕事をしながら通院したり、さまざまな心理的苦痛を抱えながら生活しているなか、今回の研究は、自分のスマートフォンのアプリを使うことで通院等の負担を大きく軽減でき、また場所や時間を選ばず苦痛を和らげるための医療を受けることができる可能性を示しています。

Akechi T, Yamaguchi T, Uchida M, Imai F, Momino K, Katsuki F, Sakurai N, Miyaji T, Mashiko T, Horikoshi M, Furukawa TA, Yoshimura A, Ohno S, Uehiro N, Higaki K, Hasegawa Y, Akahane K, Uchitomi Y & Iwata H (2022) Smartphone psychotherapy reduces rear of cancer recurrence among breast cancer survivors: A fully decentralized randomized controlled clinical trial (J-SUPPORT 1703 Study). Journal of Clinical Oncology, JCO.22.00699.

https://doi.org/10.1200/JCO.22.00699[OPEN ACCESS]

NHK、朝日新聞、京都新聞他にも多数報道されました。

“乳がん再発の不安” アプリで軽減 ほかの病気にも応用期待 | NHK

乳がんの再発恐怖、スマホアプリで軽減 「どこでもケア」に向け一歩(朝日新聞デジタル) – Yahoo!ニュース

スマホで乳がん再発の恐怖軽減 アプリ活用、名古屋市立大|全国のニュース|京都新聞