京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻

2022年度の卒業生の声

 

山下 恵
健康情報学分野

 22期生の山下恵です。私は薬剤師で、今は、博士後期課程に進学しながら、クラウド型薬歴システム(薬局版のカルテの様なもの)会社の薬剤師として勤務しています。
 私がSPHに進学した理由は、「薬剤師がもっと市民の近い存在になるために、薬剤師ができること・やっていることを明らかにしたい」と思ったからです。
私は、薬学部在学時代から、「薬剤師はもっと活躍できるのでは」と思っておりました。実際に薬剤師として働いたり、現職のシステム会社で勤務し薬剤師と接したりしている中で、薬剤師はただ「処方された薬をくれる人」と思われていることや、薬剤師が他の医療従事者に対してとても遠慮をしているところに対して違和感を持っていました。その時、ある勉強会に参加し、健康情報学の中山先生やその場にいた先生方に「薬剤師はもっと活躍するべき」、「薬剤師が何をしているのかということを発信すべき」と言っていただき、「研究できる力をつけたい、体系的に勉強をしたい」と思い進学をすることを決めました。
 SPHでの学びはとても有意義でとても貴重なものでした。医学研究科の専門の先生方からの講義のみならず、他研究科の講義を通して幅広く学ぶことができました。また、その時々で先生・先輩・同期の方皆様から常に支えていただき、大変ありがたく思っています。さらに、今振り返ってみるとSPHの入試があったのがちょうどCOVID-19が流行しはじめた2020年8月で、すべてオンラインでの受験だったこと、入学後もすべての講義がオンラインだったことは新たな学びのスタイルだとも思って思っています。関係者の方と直接お会いする機会が少なく残念でしたが、子どもの母親でもある私にとっては、学業・仕事・家庭のすべて行うことができたので、ありがたかった部分だと今は感じています。
 SPHでの学びは現在の仕事に活きています。現職の薬歴システムの会社では、自社システムを利用した薬局との共同研究や、クラウド内に保存している薬歴データを活用した研究やコンサルティング等に携わっています。学業の面で決して優秀な学生ではありませんでしたが、ここではSPHで学んだ研究の基礎、医療の制度・政策も含む社会的な要因、コミュニケーションや、健康情報学教室で学んだ情報を「作り・伝え・使う」という視点がとても重要だと感じています。
 「薬剤師がもっと市民の身近な存在になる」という目標を達成するための道はまだ始まったばかりですが、これからもSPHで学んだことを活かし、まずはシステムメーカーの薬剤師という立場から、情報を武器に薬剤師やその先の患者さんに還元していければと日々励んでいければと思っています。