石見 拓(Taku IWAMI)
SPH現役時の担当教室
予防医療学分野
現在のご所属機関、部署
京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 予防医療学分野
ご役職(ご就任年月日)
教授(2015年1月1日)
ご専門領域
循環器内科、蘇生科学、予防医療学
ご略歴
1996年、群馬大学医学部卒業。循環器内科医として研鑽を積む中で、心臓病患者の多くは病院に搬送される前に亡くなり、病院到着後の治療ではこのような方達を救えない事実に直面、病院前救急医療体制の充実や心肺蘇生普及の重要性を知る。その後、心肺蘇生にかかわる研究に参加するため、大阪に移り、病院外で心停止となった方々に対する救急医療体制を検証するプロジェクトに加わる。大阪大学医学部医学研究科・生態統合医学(救急医学)博士課程修了。京都大学大学院医学研究科・臨床研究者養成コース修了、2006年4月より京都大学保健管理センター(2011年4月より環境安全保健機構に改名)(予防医療学) 助教。
2012年 同講師。
2013年 同准教授。
2015年より教授、現在に至る。
ご近況
1. 教育活動
当教室では、MCR生をはじめ、たくさんの大学院生に加わってもらい、下記のような研究の遂行を通じて実践的な教育に力を入れています。若い研究者、研究者の卵たちへの教育を通じて、自分も学びエネルギーを得ることが今のポジションの最大の楽しみです。
2. 研究活動
主たる研究として進めてきた院外心停止症例のコホート研究は、従来の病院前の救急隊による記録に加えて、病院到着後の蘇生経過も記録する多施設共同研究を大阪で立ち上げるとともに、関連学会の多施設共同研究として全国に広げています。このほか、心肺蘇生の質を評価しフィードバックする新しい機器の有効性に関する大規模な無作為化介入試験、心停止の認識を補助する機器や心肺蘇生中の脳血流を評価する機器の有効性の検討など新たな試みを進めています。救急蘇生領域だけでなく、健康、予防医療分野にも取り組みを広げ、学校医・産業医として関わっている健康診断やライフログデータを活かした長期コホート研究の立ち上げ、ボルドー大学との国際共同研究もこれからの研究テーマの柱として取り組んでいます。
3. 社会活動
研究成果を踏まえた心肺蘇生、AEDに関わる普及啓発、国際コンセンサスづくりに力を入れています。特に、学校教育への実技を伴う心肺蘇生・AEDの教育の本格的な導入が目標です。
- 国際蘇生協議会 心肺蘇生に関する国際コンセンサス会議 タスクフォース、リサーチ&レジストリ ワーキンググループ長
- 日本版救急蘇生ガイドライン作成合同委員会委員、教育と普及に関わるセクション編集委員
- 日本臨床救急医学会 学校へのBLS教育導入検討委員会 委員長
- NPO法人大阪ライフサポート協会 副理事長(事務局長)、同協会PUSHプロジェクト(胸骨圧迫+AEDからなる簡易講習会普及を目指す)代表
- AED導入10年目プロジェクト 減らせ突然死 ~使おうAED~ 実行委員会 委員(事務局長)
主なご論文業績
- Iwami T, Kitamura T, Kiyohara K, Kawamura T. Dissemination of Chest Compression-Only Cardiopulmonary Resuscitation and Survival After Out-of-Hospital Cardiac Arrest. Circulation 2015; 132(5): 415-422.(責任著者)
- Kitamura T, Iwami T, Kawamura T, Nagao K, Tanaka H, and Hiraide A; for the Implementation Working Group for All-Japan Utstein Registry of the Fire and Disaster Management Agency. Nationwide public access defibrillation in Japan. The New England Journal of Medicine. 2010; 362: 994-1004. (責任著者)