山崎 新(Shin YAMAZAKI)
SPH現役時の担当教室
医療疫学
現在のご所属機関、部署
国立環境研究所 環境疫学研究室
ご役職(ご就任年月日)
2015年4月1日
ご専門領域
環境疫学
ご略歴
1991年 京都大学工学部卒
2005年 京都大学大学院社会健康医学系専攻修了(博士(社会健康医学))
2007年 京都大学大学院社会健康医学系専攻医療疫学准教授
2015年 国立環境研究所環境疫学研究室長
ご近況
1. 研究活動
環境疫学研究を行なっています。子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)の企画・運営を主に携わりながら、大気汚染の健康影響に関わる疫学研究をライフワークとしています。エコチル調査は環境省が実施する母子10万組の出生コホート研究で、環境曝露要因と子どもの成育との関連性の解明を目的としています。お母さんの妊娠中に調査が開始され、胎児期から小学校6年生まで追跡します。2010年度からリクルートが開始され、現在までに(2016年度)先頭集団は5歳になりました。全国15のユニットセンターとの共同研究であり、京都大学も参画して頂いています。このエコチル調査のコアセンターを国立環境研究所が担っています。エコチル調査はお子さん10万人を対象とした本体調査と、その中から5000人を対象とした詳細調査があります。本体調査では主として年2回の質問票調査を実施しており、詳細調査では採血や面接式の精神神経発達検査などを実施しています。また、エコチル調査に2年先行した集団を対象としたパイロット調査も実施されています。パイロット調査は全国4地区における400名の集団を追跡しており、エコチル調査での実施可能性を確認するために、本体調査の質問票の試行や、詳細調査で実施される項目の試行をしています。この巨大なエコチル調査を企画・運営していくわけですが、大規模な国家プロジェクトであり社会的責任が大きく、また、国際的にも注目されており、個人情報管理や倫理的配慮、情報発信など各方面に配慮しながら、有用な科学的知見を創出すべく研究を推進しています。
2. 社会活動
主として環境行政に関わる社会活動を行なっています。近年では光化学オキシダント等大気汚染の健康影響に関わる最新知見の確認や健康リスク評価の検討、トリクロロエチレンの健康リスク評価に関わる支援を行なっています。
主なご論文業績
- Yamazaki S, Shima M, Yoda Y, et al. Exposure to air pollution and meteorological factors associated with children’s primary care visits at night due to asthma attack: case-crossover design for three-year pooled patients. BMJ Open 2015; 5: e005736.
- 山崎新. 環境疫学入門. 岩波書店. 2009.