大西 香代子(Kayoko OHNISHI)
SPH現役時の担当教室
医療倫理学
現在のご所属機関、部署
園田学園女子大学 人間健康学部 人間看護学科
ご役職(ご就任年月日)
教授(2010年9月)
ご専門領域
精神看護学、医療倫理学
ご略歴
京都大学文学部哲学科心理学専攻卒業、弘前大学教育学部特別教科(看護)教員養成課程卒業(看護師資格取得)後、精神科での臨床経験(約10年)を経て、SPHの1期生として医療倫理学修士課程に入学。2002年に修了、博士課程に進むと同時に弘前大学医学部保健学科看護学専攻の講師になった。2006年三重大学医学部看護学科助教授に、翌2007年に教授に就任。2010年に現在の大学に移って教育・研究にあたっている。2012年度から2015年度は学科長を務めた。SPH博士課程は残念ながら満期退学、その後2010年に三重大学でPhD(医学)を取得した。
ご近況
1. 教育活動
大学院がないので、学部学生を対象に精神看護に関する授業、看護倫理に関する授業を担当している。自分の学生時代に比べ、全般に幼く、何かと保護者が出てくることに驚いているが、自分がトシをとった証左かもしれない。ほかに、2009年から信州大学大学院保健学専攻で医療倫理学(2コマ)を、2016年からはさらに青森県立保健大学大学院で看護倫理学(10コマ)を担当する。
2. 研究活動
SPHの修士論文で扱った”精神科看護者のmoral distress”をテーマに、3回連続(9年間)で科研費をいただき、研究を続けている。人員配置が手厚く医療サービスの行き届いたイギリスと、それとは著しく異なる日本とで看護者の感じるmoral distressの強さに差がないこと、moral distressとバーンアウトは関連していること、精神科看護者の職務効力感は極めて低いこと、倫理的な感受性の強い人ほどmoral distressを強く感じていることなどがわかり、その結果から、看護者が倫理的問題の解決ができるようオンラインで手伝う「精神科倫理コンサルテーション」を立ち上げ、相談活動を行っている。
3. 社会活動
2010年から毎年、日本生命倫理学会で精神科医療の倫理的問題を扱ったシンポジウムを開催している。精神科に直接関わっていない方々に知ってもらいたいとの意図で、隔離・拘束や超長期入院など、毎回テーマを決めて実施、今年で7回目となる。日本生命倫理学会では、2011年から評議員、2014年からは理事をしている。また、2013年からは日本私立看護系大学協会の理事として研修会の企画なども行っている。
主なご論文業績
- Kayoko Ohnishi, Yasuko Ohgushi, Masataka Nakano, Hirohide Fujii, Hiromi Tanaka, Kazuyo Kitaoka, Jun Nakahara, Yugo Narita. Moral Distress Experienced by Psychiatric Nurses in Japan. Nursing Ethics. 2010;17(6):726-740.
- 大西香代子・北岡和代・中原純. 精神科看護者の倫理的感受性と看護実践における倫理的悩みの関連.日本精神保健看護学会誌.2016;25(1). (in print)