京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻

ベストティーチャー賞2020およびベストコースワーク賞2020の受賞発表

在校生 2021年05月18日

新入生歓迎会(2021/4/16 オンライン)で発表されましたベストティーチャー賞2020受賞者につき、トロフィー授与時の写真とともにご報告いたします。
また、質の高い授業を行った講義を称えるためのベストコースワーク賞(第2回)(2019年度から新設)の受賞結果も併せて発表いたします。

 

【ベストティーチャー賞2020受賞者のご紹介】

ベストティーチャー賞2020は、投票の結果、医療統計学分野の佐藤俊哉先生と環境衛生学分野の西浦博先生が選ばれました。
受賞、大変おめでとうございます。

 

佐藤俊哉(医療統計学分野 教授)
Tosiya Sato, PhD, Professor of Biostatistics

佐藤俊哉先生【主な担当科目】
医療統計学(前期コア): なぜかオンラインだとたくさんの質問が
医療統計学実習(前期選択): 毎週レポートを読むのがたいへん
観察研究の統計的方法(前期集中選択): とっても難しい一番楽しい講義
統計家の行動基準(前期集中選択): サリドマイド裁判で統計家が活躍したとは!

【講義で工夫しているポイント】
・時間を守る
・スライドは見やすく
・講義動画は3日前までにPandAにアップする
(あとは企業秘密)

【メッセージ】
「統計的に有意」は使用禁止!

 

西浦博 (環境衛生学分野 教授)
Hiroshi Nishiura, MD, PhD, Professor of Infectious Disease Epidemiology

西浦博【主な担当科目】
・産業・環境衛生学
・感染症疫学

【講義で工夫しているポイント】
・前回講義の短期記憶を次の講義で繰り返して思い出してもらうこと
・その日のReviewをバカにしないこと。学習効果をあげるために講義終了時に必ず要点のMCQをすること
・毎日が楽しそうであることをにおわせること。僕ら教員が楽しそうにしていないと、僕らのような姿を目指そうとする人が出にくいので。
・本質的に退屈である予防医学が活躍する場が環境や感染症では相当にあることを実践例をもって伝えること。100年に1度の災害が起こる中で講義ができると興味を持ってもらえるのは相当のアドバンテージだとは思います。その中で退屈に思わせたら教員の責任だと思います。

【メッセージ】
ベストティーチャー賞に選んでいただきまして有難うございました。新型コロナウイルス感染症の流行に政府機関で対応している中、皆さんに最初の感染症疫学の集中講義ができたのは赴任直後の2020年8月上旬でした。実は私自身のPandAのアカウント作成も講義前ギリギリに間に合った状態でしたし、流行の中で準備するのは勿論大変でしたが、学生に限らず教職員も含めてたくさんの方が集中講義に参加して下さり、感染症疫学の醍醐味を味わっていただけたのは大変良い思い出になりましたよ。1つひとつの基礎的な理論や考え方が流行中に活きてくることを実感を持って味わってもらえる特別な集中期間になりました。

 

 

【ベストコースワーク賞2020受賞講義のご紹介】

ベストコースワーク賞2020は、投票の結果「臨床研究計画法演習Ⅰ」と「健康情報学Ⅰ」が選ばれました。
受賞、大変おめでとうございます。

 

臨床研究計画法演習Ⅰ
【担当教員】 山本洋介(医療疫学分野 准教授)、小川雄右(医療疫学分野 特定講師)、
関知嗣(薬剤疫学分野 助教)
【講義概要】(2020年度シラバスより抜粋)
本講義の通称:プレプロマネI
プロトコール発表検討会:
・MCR専科生および受講生全員が、毎回参加することを原則とする。
・個々の院生が、自身のリサーチ・クエスチョン(RQ)にもとづいた研究計画を発表し、院生相互の意見交換を通じて質の高い研究プロトコールを作成にむけて学習する。
・院生はRQの背景や意義の説明を中心に発表する。

 

健康情報学Ⅰ
【担当教員】中山健夫(健康情報学分野 教授)、高橋由光(健康情報学分野 准教授)、
宮崎 貴久子(健康情報学分野 非常勤講師)、杉森 裕樹 (大東文化大学 教授)、
津谷 喜一郎(東京有明医療大学 特任教授)、園田由紀(日本MBTI協会代表)
若尾文彦(国立がん研究センターがん対策情報センターセンター長)、加藤 源太(附属病院 准教授)
黒田聡(株式会社情報システムエンジニアリング代表取締役社長)
中谷英仁(静岡県立総合病院 室長)
【講義概要】(2020年度シラバスより抜粋)
健康・医療情報、データや知識の収集、蓄積、伝達、検索、評価法、情報リテラシー、ヘルス・コミュニケーション(リスクコミュニケーション含む)、個人情報保護などの情報倫理の課題について講義する。疫学やEBMを基本として、医学文献からマスメディア、インターネットによる健康情報まで、さまざまな情報の特徴を知り、それらを主体的、効果的に活用する方法を考える。さらに欧米の医療関係者に関心の高い性格テスト・MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)のワークショップを通して、個人の情報処理・認知の特性とコミュニケーションに関して体験的理解を深める。