京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻

健康増進・行動学分野古川壽亮教授がBern大学Adriani Nikolakopoulou研究員、Georgia Salanti准教授らと共同で実施したメタ疫学研究が BMJ (Impact Factor 20​.785​) に掲載されました。

一般 2018年03月02日

Bern大学Adriani Nikolakopoulou研究員、Georgia Salanti准教授らと健康増進・行動学分野古川壽亮教授らの国際共同研究チームは、従来の1対1のメタアナリシスに比して、ネットワークメタアナリシスを経時的にアップデートしてゆくことにより、臨床的に興味がある比較について有意に早く効果差を検出できることを示しました。
医学は進歩し今や多くの疾患に対して複数の治療選択肢がありますが、それらのあいだの優劣はしばしば不明のままです。エビデンスが集積するにつれて前向きに累積的にネットワークメタアナリシスを行うことで、臨床家や患者さんの治療選択に有意味な情報がより早く得られることが示されました。このようなliving network meta-analysis(生けるネットワークメタアナリシス)は、今後の有効性比較研究の重要なツールとなることが示唆されました。

​Nikolakopoulou A, Mavridis D, Furukawa TA, Cipriani A, Tricco AC, Straus SE, Siontis GCM, Egger M & Salanti G (2018) Living network meta-analysis compared with pairwise meta-analysis in comparative effectiveness research: empirical study. BMJ.

オープンアクセスです。
​http://www.bmj.com/content/360/bmj.k585.full