京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻

国民生活基礎調査匿名データ 解析実習を行いました(2017年度)

在校生 2018年02月08日

京大SPHの講義「健康情報学II」にて、国民生活基礎調査匿名データの解析実習を行いました。
匿名データとは、行政機関等が統計法に基づいて実施した統計調査によって集められた調査票情報を、特定の個人又は法人その他の団体の識別ができないように加工したものです。学術研究及び高等教育の発展に資すると認められる場合は、一般の方も、利用することができます。今回は、高等教育目的として、厚生労働省に申出を行い、健康情報学IIにて、データを利用した解析実習を行いました。

【講義名】
・健康情報学II(科目責任者 健康情報学・高橋由光)

【日時・場所】
・2018/1/12(金)3-4限(13:00-16:15)
・京大医学部構内G棟3F演習室

【教材】
講義資料ハンズオンのPDFはこちら

【概要】
・統計法および国連の公的統計の基本原則を中心に、公的統計データの二次的利用の規制の必要性および推進のバランス、調査対象の秘密保護について講義を行った。
・国民生活基礎調査(平成22年)匿名データB(世帯票・健康票・所得票・貯蓄票)を用いて、調査票、データレイアウト及び符号表の理解、csvファイルの読込、JMPを用いた記述統計・ロジスティック回帰分析等を行った。なお、グループワーク形式で実施した(1グループ毎(3-4名)、スタンドアロンPC 1台、CD 1枚)。

【参加人数】
・15名(教員含む)

【参考情報】
厚生労働省 匿名データの提供について
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itaku/tokumei.html
Shibuya, et al. BMJ. 2002 Jan 5;324:16.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11777798

【参加者の声】
・自分でも頑張ればこういったデータを使用して学会発表できそうな気がした。
・国民生活基礎調査の二次データを利用した研究をしてみたいと思いました。
・ダミー変数の実際が何となくわかりました
・実際の生データを用いてデータの整理から解析までを行う事が出来てとても貴重な経験と成りました。また、実践的な点として実際にダミー変数を作る方法を学ぶ事が出来て良かったです。資料もとても分かりやすかったです。今後、自分の研究にも生かしていきたいです。
・JMPを使う機会が今までほとんどなかったので、よい経験になりました。また、実際のデータに触れることができ、勉強になりました。
・国民生活基礎調査のデータを用いて、分析を行えることを知りました。収入や、健康観などさまざまな情報が含まれており、テーマによっては大いに活用できるデータであること、また、クリーニングのいらないデータであることを知りました。ぜひ活用したいと思います。
・実際のデータを用いて、データそのものの性質を見ることができたこと、どのように準備(クリーニングなど)すれば統計解析に持ち込めるかを実際に学べたのは非常に大きいと思います。また、実際の論文と比較することで、研究の方向性とデータの適合なども見えた気がします。
・実際のデータ利用やJMP解析ソフトに慣れていない分、このような演習はとても有意義な時間でした。実際のデータに基づき解析ソフトの使用方法をもっと体験し学びたいと思いました。疫学研究を実施していくうえで実用的な授業で楽しく学べました。
・実際にデータを扱わせていただき、勉強になりました。同じ内容でRなどで学習したいと思いました。
・盛りだくさんの内容で、大変勉強になりました。
・実際のデータをCSVを作成するところから前期で学んだJMPを使って解析まででき、操作量が多くても特定の論文をもとに解析を進めるので、出てきた結果の意味がわかりやすく、実際の解析を少しイメージできる学びの多い演習でした。
・実際のデータで分析させてもらい、実際に研究できることもわかり、興味深かったです。分析できる状態にするまでが大変でしたが、それも経験できて楽しかったです。
・自分の経験が浅いので、csvファイルからexcelファイルへの変換がとても勉強になりました。充実したマニュアルも頂いたので、今後に向けても心強いです。
・データを利用するまでの下準備が大変だと思った。列の作成など知らないと効率が悪い行程も多く、実際にハンズオンで行うことでとても有意義な実習だった。