人間生態学(フィールド医学) | 京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻

京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻

人間生態学(フィールド医学)

「フィールド医学」は疾病、老化のありさまを、自然環境、文化背景
との関連でもう一度、捉えなおそうとする研究領域である。

  • 准教授/坂本 龍太
  • Ryota Sakamoto, M.D.,
    Ph.D. Associate Professor

概要

  • 東南アジア研究所 人間生態相関研究部門
  • 准教授 : 坂本 龍太
  • TEL : 075-753-7368
  • FAX : 075-753-7168
  • e-mail:sakamoto_ad
  • URL: http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp(東南アジア研究所)

臨床医学とはその名のとおり、ベッドサイドで、病める患者の疾病を診断し、その治療を行うことを本来の使命としてきた。これら病院を中心とする先端医療は、これまで急性期疾患患者の救命や治療に多大な貢献をなしてきた。しかし、その患者がどういうふうに暮らしており、どんな仲間や家族がいてどんなものを食べ、日常生活の上でどんな医学的課題を抱えているのか。このような実態は病院医学からではわかりにくい。「フィールド医学」は、疾病、老化のありさまを、自然環境、文化背景との関連でもう一度、捉えなおそうとする研究領域である。

研究・教育について

フィールド医学研究分野では、異なる自然生態系、歴史、文化、 社会状況のもとでの健康のとらえ方、 疾病発現状況などにつき、 医学的フィールドワークにもとずいた人間生態学の視点から考察を行い、 実例を挙げてケース・スタディを行ってきている。

生活の場に根ざした高齢者ケアのあり方を模索し、一人一人の健康を追求していきたい。1955年に48歳ほどであった地球上の人間の平均寿命は2015年になり71歳に達した。60歳以上の高齢者人口は1950年に約8%であったものが、このままいけば2050年までに21%に達すると推測されている。高齢化社会の最先端に立つ我々の社会が自らの課題を東南アジア及び世界と共有することは、極めて重要であると考える。高齢者ケアのあるべき姿は自然や文化的背景を含めた現場の状況に応じて異なるべきものであり、現地に暮らす人々が主体となったケアが重要であると考える。健診を核とする健康増進及び疾病予防活動に重点をおきながら、社会的孤立への対策や地域文化の継承、そして、しあわせについても次世代の仲間と現場を共にする中で追求していきたい。

研究業績

  1. Sakamoto R, et al. Health and happiness among community-dwelling older adults in Domkhar valley, Ladakh, India. Geriatr Gerontol Int 2016 (Epub ahead of print).
  2. Sakamoto R, et al. Predictors of difficulty in carrying out basic activities of daily living among the old-old: A 2-year community-based cohort study. Geriatr Gerontol Int 2016; 16: 214-222.
  3. Sakamoto R. Legionnaire’s disease, weather and climate. Bull World Health Organ 2015; 93: 435-436.
  4. Sakamoto R, et al. Oxidized low density lipoprotein among the elderly in Qinghai-Tibetan plateau. Wilderness & Environmental Medicine 2015; 26: 343-349.
  5. Sakamoto R, et al. Legionella pneumophila was isolated at high altitude in Tibetan plateau. High Alt Med Biol 2014; 15:209-210.
  6. 坂本龍太. 『ブータンの小さな診療所』 ナカニシヤ出版, 2014.

授業風景