京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻

医学コミュニケーション学
Department of Medical Communication

医療と社会をコミュニケーションでつなぐ:
ヘルスコミュニケーションを公衆衛生の柱に

教室からのお知らせ

(すでに終わりましたが…)Cancer Xにシンポジストとして参加しました!(岩隈美穂)
【CancerX 情報】 | World Cancer Week 2021 | CancerX

混合研究法の論文が出ました!
Changes in Perceptions of Japanese University Students toward Disability: A Mixed Methods Study: International Journal of Disability, Development and Education: Vol 0, No 0 (tandfonline.com)

学会企画シンポジウムにシンポジストとして参加します!(岩隈美穂)
【周縁化された方々の困難を理解し私たちができること -マイノリティと呼ばれてしまう人々の生きづらさを深く考察し臨床に活かそう- (実行委員会企画)】
第12回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会(The 12th Annual Conference of Japan Primary Care Association) (c-linkage.co.jp)

公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会主催の、CBID(地域に根ざしたインクルーシブ開発)国際シンポジウムにシンポジストとして参加します!(岩隈美穂)(新着情報が入り次第ここにあげていきます)

 

  • 准教授: 岩隈 美穂
  • 准教授: 岩隈 美穂

概要

  • 健康管理学講座 医学コミュニケーション学
  • 准教授: 岩隈 美穂 Iwakuma, Miho
  • TEL:075-753-4668
  • e-mail:

こんな学生募集中

現在、医療におけるコミュニケーションの大切さが認識され、ヘルス・コミュニケーションを受講できる大学が増えていますが、コミュニケーション学出身の教員がコミュニケーションについて医学部で教える大学は現在でもほとんどありません。2008年度に京都大学に開講した「医学コミュニケーション学」は、「医療と社会をコミュニケーションでつなぐ」をテーマに掲げ、専任教員である岩隈はコミュニケーション学出身者です。医師、患者間のコミュニケーションはヘルスコミュニケーションで扱うテーマの一部と考えていますが、さらにマクロな視点が「医学コミュニケーション」だと言えます。この壮大なテーマに取り組みたい人、まだ海のものとも山のものとも分からない始まったばかりのこの分野を一緒に開拓していきたいと願う方、医学コミュニケーション「を」学びたい人より、医学コミュニケーション「で」何をしたいのかが明確な方が研究室の門をたたくことを希望します。また医療系の学生だけでなく、社会科学系のテーマに関心がある学生も歓迎します。

研究・教育について

教育について

本教室では以下の3つの授業を開講しています。

  • 医学コミュニケーション・基礎:コア科目の一つで、「一対一の対面での言語を使ったコミュニケーション」という常識を崩し、コミュニケーション学からの理論を用いてヘルスコミュニケーションの基本的枠組みを使って自分のリサーチに取り入れることを目指す。
  • 医療社会学:医療社会学の概念、理論、方法論を紹介、「人文学・社会科学」からの医療・医学への視点や語彙を提供し、履修者たちの描く「理想の医療」への改革へのヒントにすることを目指す。
  • 質的研究・演習:医学部全体でも質的研究の実践について学べる講義は多くない。複数の質的研究方法(M-GTA、テーマ分析、SCAT、エスノグラフィー、KHコーダーなど)を理解し、自分のリサーチクエスチョンにあった研究方法を選択できることを目指す。

研究について:人が関わればこれコミュニケーションなり

医療コミュニケーションが主に「患者と医療者のコミュニケーション」に焦点を当てているのに対し、医学コミュニケーション分野は医療におけるコミュニケーションを、ミクロ(例えば、医療現場における対人コミュニケーション)、メゾ(例えば、多職種連携)、マクロ(例えば、ソーシャルキャピタル)のレベルにわたり、コミュニケーション学、医療社会学、障害学といった社会科学的な視点も援用しています。学生は各自関心のあるテーマで研究しています。
 

最後に、研究にはその人個人の歴史や軌跡が色濃く反映されます。私自身の研究内容も、異文化コミュニケーション、ヘルスコミュニケーション、障害学とあっちこっちと一見脈絡が無いようでいて実は「当事者から見た世界」に常に関心があり、「平均像」ではなく個々の世界観に肉薄する研究をしてきました。「医学コミュニケーションを学んで何になるのか」。この問いに対して、今私の言えることは、「学問とは地図を獲得するようなもの」。つまりそれによって自分の進みたいと思っている地形の起伏・形状を教えてくれたり、いつ終るかも判らない旅のプロセスの予測を立てやすくしてくれたりする。が、地図自体があなたにあの目的地をめざしてこのルートで行け、とは言わない。最短距離をめざすのか、目を引く景色に出会ったら回り道をするのも自由。 医学コミュニケーション学という地図(ツール)を使ってあなた自身の研究をデザインしてください。以下は現在の教員(岩隈)の関心テーマです。

    1. イズムに関しての研究(エイジズム、エイブリズムなど)
    2. 健康の社会的決定要因(SDH)
      ・CBR(CBID)マトリックスと組み合わせて、SDHについて考えるWS開発
    3. ヘルスコミュニケーションに関しての研究
      ・障がい者や高齢者(と)のコミュニケーション
      ・患者体験(PX)
      ・大腸がんサバイバーの就労
    4. 「病いの語り」の国際比較
      ・ディペックスジャパンには世界11か国の豊かな「患者の語り」が収録され、多くのリソースや知恵が詰まっています。生物医学的な「疾患」は世界共通かもしれませんが、患者が体験する「病い」はその国の文化や保険・医療事情に大きく左右されるため、病いの国際比較に興味があります。
    5. 障がい者の高齢化(Aging with Disability)についての研究
      ・アンケート、インタビュー、Yahoo知恵袋の異なるデータをそれぞれ分析、あるいは組み合わせて分析しています。
    6. 混合研究法
      ・質的研究と量的研究を組み合わせ、違う研究手法の長所を掛け合わせ、短所を補うことで、複雑なヘルスコミュニケーション事象をより多面的に説明することができる研究方法です。

主な研究業績

  1. Iwakuma, M., & Son, D. (in press). Western Influences on Physician-Patient Decision Making Communication in Japan. In E.M. Kramer (Ed.), Oxford Research Encyclopedia of Communication. Oxford University Press.
  2. Morishita, M., & Iwakuma, M. (in press). Diffusion of Innovations from the West and Their Influences on Medical Education in Japan. In E.M. Kramer (Ed.), Oxford Research Encyclopedia of Communication. Oxford University Press.
  3. Iwakuma, M., Miyamoto, M., Murata, J. (2021). Changes in perceptions of Japanese university students toward disability: A mixed methods study. International Journal of Disability, Development & Education.
  4. 上野悦子・岩隈美穂(2020). 地域共生社会の人材育成:Community-based Inclusive Development (CBID)、医学教育、51(6).岩隈美穂(2019).障害学・当事者研究から見た 隠れたカリキュラムとIPE・IPW.『保健医療福祉連携』,12,96-104.
  5. 石富千瑞・岩隈美穂(2020).精神科訪問看護師の看護観の形成に関する探索的質的研究『日本ヘルスコミュニケーション学会雑誌』2.
  6. 岩隈美穂(2019).障害学・当事者研究から見た 隠れたカリキュラムとIPE・IPW.保健医療福祉連携,12,96-104. 
  7. Iwakuma, M., & Aoki, T. (2019). Patient Experience of Japanese people with Disabilities. Paper presented at WONCA APR Conference 2019(May 16, 2019).
  8. 岩隈美穂.(2019年5月19日).障がい当事者は高齢化や高齢化研究についてどう考えているか、についての質的研究(第10回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会にて発表)
  9. 岩隈美穂.(2018年7月21日).「医師は患者背景を聞き出すことにたいしてどう考えているのか」:インタビューによる探索的研究.(社会医学学会@獨協大学にて発表).
  10. 岩隈美穂.(2018). 障害者は障害をもつ人か?:「障害」に関する三つの話. In『知のスイッチ――「障害」からはじまるリベラルアーツ』(嶺重慎、広瀬浩二郎、村田淳編)、岩波書店.
  11. 岩隈美穂.(2018).「健常者の文化から障害者の文化へ移行すること―マジョリティからマイノリティへの移行(身体障害者の例から)」In酒井郁子・金城利雄(編)『NiCEリハビリテーション看護 改訂第3版』、南江堂.
  12. 岩隈美穂.(2018).日本社会における発達障がい者と(の)コミュニケーション.『新しい医学教育の流れ』
  13. 舟木 友美, 石村 慶子, 王颖霞, 岩隈美穂.(2018).乳幼児の子育ておよび健康に関する情報のニーズ特性の探索 -インターネット上Q&Aサイトへの投稿質問の分析から『日本ヘルスコミュニケーション学会雑誌』9(1)17.
  14. 岩隈美穂・酒井郁子 (2018).「障害とともに年をとる」 In酒井郁子・金城利雄(編)『NiCEリハビリテーション看護 改訂第3版』、南江堂.
  15. Miyamoto, K., Seo, W., & Iwakuma M. (2018). Anxiety about ageing and related factors in Japan. Health education and public health, 1.
  16. 岩隈美穂.(2017).どのように立場の異なる人々が医療にかかわるか、についての一考察:『第三の立場』としての病院ボランティアの役割と貢献に着目して.質的心理学フォーラム,9,23-34.
  17. Iwakuma, M., Oshita, D., Yamamoto, A., & Urushibara-Miyachi, Y. (2017). The effects of breathing-based meditation on earthquake-affected health professionals. Holistic Nursing Practice.
  18. Iwakuma,M.,Nakayama,T.,Oshita,D.,& Yamamoto,A.(2016).Short – Term Loosen Up Meditation Induced EEG and Autonomic Response in Healthy Japanese Students. J Alt Med Res 2(1): 113.
  19. 岩隈美穂.(2016). 人文・社会科学系と医学・医療系の協働の可能性:PBL教材作成WSに参加して.新しい医学教育の流れ.
  20. 山本明弘・岩隈美穂・大下大圓.(2016).2日間の瞑想講習会が瞑想初級者の気分および首尾一貫感覚へおよぼす影響:Temporary mood scaleおよびSense of coherence scaleを用いた検討.日本保険医療行動科学会雑誌、31、61-69.
  21. Iwakuma, M. (2016). “When I am in Japan, I feel as though I’m not disabled”: A cross-cultural adjustment study of trainees with disabilities from Asia-Pacific regions. Disability Studies Quarterly.
  22. Miyamoto, K., Iwakuma, M., & Nakayama, T. (2016). Experiences and attitudes of residents regarding a community-based genomic cohort study in Japan: a population-based, cross-sectional study. BMC Medical Genomics.
  23. Miyamoto, K, Iwakuma, M., & Nakayama, T. (2015). Residents’ awareness and attitudes about an ongoing community based genome cohort study in Nagahama, Japan. Public Understanding of Science.http://pus.sagepub.com/content/early/2015/03/05/0963662515574455.full.pdf+html
  24. 岩隈美穂・中山健夫.(2015).京都大学公衆衛生大学院(SPH)におけるコミュニケーション教育の現在.日本ヘルスコミュニケーション学会雑誌、5、4-6.
  25. 岩隈美穂.(2015).「震災復興支援としての瞑想講習会」.Emergency Care, 6,102-104.
  26. Iwakuma, M. (2014). Struggle to belong. Hampton Press.
  27. Miyamoto, K., Iwakuma, M., & Nakayama, T. (2014). Social capital and health: implication for health promotion by lay citizens in Japan. Global Health and Promotion.
  28. 岩隈美穂.(2014)「障害という「資本」を生かす」. In嶺重慎・広瀬浩二郎(編)『知のバリアフリー』(pp.123-129)、京都大学学術出版社.
  29. 岩隈美穂.(2014).「インクルーシブデザインと商品開発への当事者参画」.In 小川喜道・杉野昭博嶺重慎(編)『よくわかる障害学』(pp.36-37)、ミネルヴァ書房.
  30. 岩隈美穂.(2014).「障害と文化:二つのアプローチ」.In 小川喜道・杉野昭博嶺重慎(編)『よくわかる障害学』(pp.184-185)、ミネルヴァ書房.
  31. Oshita, D., Hattori, K., & Iwakuma, M. (2013). A Buddhist-based meditation practice for care and healing: An introduction and its application. International Journal of Nursing Practice, 19, 15-23.
  32. 岩隈 美穂・鳥海 直美.(2012).「カルチュラルプローブを使った高齢者施設でのケアとインクルーシブデザインの試み」.インターナショナルナーシングレビュー,35,51-60.
  33. 岩隈美穂・山口洋典・大下大圓.(2012).「宗教と医学の対話を拓く:宗教家による災害での援助活動から」『日本ヘルスコミュニケーション学会雑誌』,3,27-33.
  34. Iwakuma, M. (2011). Disability in the Far East: How Japan has responded a phenomenon of disability. Review of Disability Studies, 7.
  35. 岩隈美穂 (2010).「医学コミュニケーションについての覚え書き」、『日本ヘルスコミュニケーション研究会雑誌』、vol.1, pp. 43-47.

日立京大ラボ 共同研究:xR技術を活用した学びのデジタルコンテンツ作成ワークショップに参加しました(修士課程2年生 島崎琴子さん)

SDHワークショップ@島根大学