ごあいさつ

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社会健康医学系専攻
専攻長・議長 福原俊一

医学と社会をつなぐ知の拠点

京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻は、2000年に我が国で初めて開設された大型の社会医学の大学院です。発足以来、当専攻は「医学と社会をつなぐ知の拠点」として、活発な教育・研究活動を続けてきました。

さて、世界全体が高齢化にむかっている中、我が国は世界最速で超高齢社会となりました。未曾有の超高齢社会にあっては、従来の高度先進医療モデルのみでは、国民の健康を維持することが困難なのは明らかです。まずは社会を支えている、あるいは、これから社会を支えていく人々の早期の死亡を減らす必要があります。過去においてはこの主な死因は感染症でしたが、現在は感染症以外の慢性疾患(Non- Communicable Diseases: NCD)となりました。これは先進国でも途上国でも同じです。このNCDを減らすために最も重要となるのは予防です。一方で、医学や医療の進歩により心筋梗塞や脳卒中、悪性腫瘍では死ぬことがなくなったとしても、日本人の平均寿命はせいぜい5年程度しか延びないといわれています。従って今後の社会全体の目標は「寿命を延ばすこと」から「寿命をいかに良く生きるか」に大きくシフトします。この目標を達成するためには、やはり治療より予防が中心となり、また地域力の強化も重要な課題となります。

2015年4月13日、14日には京都大学医学研究科、中でも当専攻が中心となってWorld Health Summit Regional Meetingを京都で開催します(http://www.worldhealthsummit.org/)。この会合では、まさに冒頭に述べました超高齢社会への挑戦をトピックスとして、その実現のために、医学アカデミアが何をすべきか、という社会的責任を主要テーマとして開催します。

この大きな変化の時代を乗り切っていくために、大学、企業、行政が一致協力する必要があります。特に既存の公衆衛生学ではカバーすることができなかった広範な領域で活躍する専門家を育成することは急務です。その意味で、当専攻に課せられた社会的責任は甚大です。多くの大学院では教育よりも研究を優先していますが、当専攻は2000年度発足当初より教育を最優先課題として取り組み、ファカルティ・ディベロップメントや授業評価を行い、教育の質改善に努めてきました。また、2012年度より学生の投票による「ベストテイーチャー賞」の選出も行っています。これまで専門職学位(Master of Public Health: MPH)取得者を約300名以上、博士課程修了者を約100名を輩出し、卒業生の約30%がアカデミア(7名の教授、19名の准教授・講師、30名の助教を輩出)、約25%が医療関連施設、そして約25%が企業や自治体で活躍されています。

当専攻は、日本および世界の人々の健康に貢献することに関心のある全ての方々を歓迎します!