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医療疫学

医療は、自然科学である生物科学的知見を複雑な社会状況の中で生活する人間に応用するという、高度に社会的な実践行為である。 福原俊一教授写真
教 授/福原 俊一
Shunichi Fukuhara, M.D., F.A.C.P.
Professor
概要 健康解析学講座 医療疫学分野
教 授:福原 俊一
准教授:山崎 新
TEL: 075-753-4646
FAX: 075-753-4644
e-mail:
URL: http://www.healthcare-epikyoto-u.jp/

医療は、自然科学の成果である生物学的知見を、複雑な社会状況の中で生活する人間に応用するという、高度に社会的な実践行為です。そして医療の現場で提供される行為の適切性、有効性、効率性に関する患者指向型の研究(Patient-Oriented Research)を行うことは、医学界に求められている社会的要請といえます。
医療疫学分野は、この社会的要請にこたえるため、エビデンスを生み出す科学的な研究を行います。さらにエビデンスと医療実践の間にある「エビデンス-診療ギャップ」を測定し埋める、すなわちエビデンスを診療や社会に繋げる研究を推進して行きます。そして、このような研究や問題解決を行える卒業生を社会に送り出すための教育に貢献することを目指します。


研究・教育について

研究について
医療疫学分野では、上述のような社会的要請に応えるために、主として臨床から生じた疑問に関連する次の4つの研究領域について、科学的手法を用いて検証する研究活動を行っています。
 (1) 医療の実態および医療の質を測定・改善する研究
 (2) 患者が直接報告する情報を測定し、医療に活用する研究
 (3) 診断方法および治療(予防)方法の評価研究
 (4) 要因とアウトカムとの関連性を解明する研究

上記の研究テーマのもとに行われた研究成果は、査読付き国際誌(N Engl J M, Lancet, JAMA, BMJ, Ann Int Med, JASN, Kidney Int, Spine, Sleepを含む)に原著論文として270編以上を発信されています。また教員や院生による国際学会発表も活発で、優秀賞などを受賞しています。


教育について
教育活動については、研究デザインや測定、分析方法に関する多数のコースワークや実習(研究デザイン特論I、II、臨床統計学特論、臨床研究コミュニケーション法、研究プロトコール作成・研究マネジメント法)を提供しています。また、個々の院生に対して研究の遂行や論文作成のみならず、キャリアパス、研究費取得法などについても屋根瓦式のメンタリングを提供しています。2000年に開設されて以来、約40名の院生が修了し、その約6割が大学教員(教授1名、准教授7名を含む)として活躍しています。
詳細は医療疫学ホームページをご参照下さい(http://www.healthcare-epikyoto-u.jp/)。


臨床研究者養成コース(MCR)
MCRは、社会健康医学系専攻の特別プログラムで、臨床医・歯科医を対象とした1年制のコースです(コースディレクター:医療疫学分野教授 福原俊一)。これまでの我が国の医学研究は主に生命科学研究に重点がおかれてきましたが、同時に、人や集団を単位とした臨床研究を推進することも必要です。MCRコースはこの領域で活躍する研究者を育成するために、我が国で初めての本格的な教育課程として2005年に開設されました。以来、83名(専科生45名、博士受講生38名)が本コースを修了し、修了生により170編以上の論文が査読付き国際誌に掲載されています。本コースは医療疫学分野を含む社会健康医学系専攻の6分野により共同運営されています。医学博士課程の院生も博士受講生として一定の条件を満たせばこのコースを履修できます。
詳細はMCRホームページをご参照下さい(http://www.mcrkyoto-u.jp/)。


Original Investigation


社会貢献・教育出版


研究業績

  • Kurita N, Yamazaki S, Fukumori N, Otoshi K, Sekiguchi M, Onishi Y, Takegami M, Ono R, Horie S, Konno S, Kikuchi S, Fukuhara S. Overactive bladder symptom severity is associated with falls in community-dwelling adults: LOHAS study. BMJ Open 2013; 3: e002413.
  • Kawaguchi T, Karaboyas A, Robinson BM, Li Y, Fukuhara S, Bieber BA, Rayner HC, Andreucci VE, Pisoni RL, Port FK, Morgenstern H, Akizawa T, Saran R. The Associations of Frequency and Duration of Patient-Doctor Contact in Hemodialysis Facilities with Mortality: International Results from the Dialysis Outcomes and Practice Patterns Study (DOPPS). Journal of the American Society of Nephrology (in press)
  • UCAS Japan Investigators, Morita A, Kirino T, Hashi K, Aoki N, Fukuhara S, Hashimoto N, Nakayama T, Sakai M, Teramoto A, Tominari S, Yoshimoto T. The natural course of unruptured cerebral aneurysms in a Japanese cohort. The New England Journal of Medicine 2012; 366: 2474-82.
  • Jackson JL, Kuriyama A, Hayashino Y. Botulinum toxin A for prophylactic treatment of migraine and tension headaches in adults: a meta-analysis. JAMA 2012; 307: 1736-45
  • Fukuma S, Yamaguchi T, Hashimoto S, Nakai S, Iseki K, Tsubakihara Y, Fukuhara S. Erythropoiesis-stimulating agent responsiveness and mortality in hemodialysis patients: results from a cohort study from the dialysis registry in Japan. American Journal of Kidney Disease 2012; 59: 108-16.
  • Ono R, Yamazaki S, Takegami M, Otani K, Sekiguchi M, Onishi Y, Hayashino Y, Kikuchi S, Konno S, Fukuhara S. Gender difference in association between low back pain and metabolic syndrome: Locomotive syndrome and health outcome in Aizu cohort study (LOHAS). Spine 2012;37:1130-7
  • Suzukamo Y, Fukuhara S, Green J, et al. Validation, testing of a three-component model of SF-36 scores. Journal of Clinical Epidemiology 2011; 64: 301-8
  • Hayashino Y, Fukuhara S. Diabetes in Asia. Lancet 2010;375:981-2
  • Yamamoto Y, Hayashino Y, Yamazaki S, et al. Depressive symptoms predict the future risk of severe pruritus in hemodialysis patients: Japan Dialysis Outcomes and Practice Patterns Study. British Journal of Dermatology, 161(2):384-9, 2009
  • Takegami M, Hayashino Y, Chin K, et al. Simple four-variable screening tool for identification of patients with sleep-disordered breathing. Sleep, 32(7):939-48, 2009